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美容室の管理美容師の要件|3年の実務経験と講習・届出を整理

2026/8/2
9分

美容室の管理美容師の要件|3年の実務経験と講習・届出を整理

美容室を開業するとき、「管理美容師が必要と言われたが、誰がなれるのか分からない」という相談は少なくありません。美容師免許とは別の資格であり、設置が必要になる条件も店舗の体制によって変わるため、開業準備の早い段階で確認しておくべき項目です。

本記事では、管理美容師の位置づけ・必要になる条件・資格の取得方法・届出との関係を整理します。開設全体の流れはサロン開設時の保健所への届出と衛生管理、開業手続き全般はサロンの開業届の出し方をあわせて参照してください。制度の詳細や自店の該当可否は、必ず所轄の保健所に確認してください。

管理美容師とは

管理美容師は、美容師法に基づき、美容所の衛生管理を担当する立場として置かれる美容師です。施術そのものの資格ではなく、店舗の衛生的な運営を管理する役割を担います。

美容師免許を持っているだけではなれません。美容師法第12条の3では、管理美容師になれるのは美容師の免許を受けた後3年以上美容の業務に従事し、かつ厚生労働大臣の定める基準に従って都道府県知事が指定した講習会の課程を修了した美容師と定められています。つまり「免許取得後3年以上の実務経験」と「指定講習の修了」の2つが要件です。

実務経験の数え方(勤務形態や在籍期間の扱い)や、指定講習の開催状況は都道府県ごとに運用が異なります。自分の経験年数が要件を満たすかは、受講を検討する段階で都道府県の美容業生活衛生同業組合や保健所に確認してください。

設置が必要になる条件

管理美容師の設置が求められるのは、常時2人以上の美容師が従事する美容所です。

店舗の体制管理美容師補足
開設者本人が1人で施術する(1人サロン)不要美容師免許は当然必要
常時2人以上の美容師が従事する必要従事者のうち1名が管理美容師である必要がある
スタッフを増やして2人以上になった必要体制変更時に届出が必要
面貸し・シェアサロンで複数名が施術要確認従事者の扱いは形態により異なるため保健所に確認

ひとりで開業する場合は管理美容師なしで始められますが、スタッフを雇って2人体制になった時点で必要になります。「軌道に乗ったら人を増やす」計画があるなら、開業時から取得しておくと増員のタイミングで慌てずに済みます。1人運営の体制づくりはひとりサロンの予約システムも参考になります。

面貸し(席貸し)やシェアサロンの形態では、従事者の数え方が実態によって変わります。契約形態が業務委託でも、実質的に常時複数名が施術しているなら該当し得るため、開設前に保健所へ相談してください。面貸しの契約面は美容室の面貸し契約書の作り方で扱っています。

資格を取るまでの流れ

  1. 美容師免許を取得する(美容師養成施設の課程修了+国家試験合格)
  2. 実務経験を積む(美容所での美容の業務を免許取得後3年以上
  3. 管理美容師資格認定講習会を受講する(都道府県知事が指定する講習。標準的な科目として公衆衛生と衛生行政・感染症・店舗の構造設備・消毒法とその用途などが示されている)
  4. 修了の認定を受け、修了証書の交付を受ける(受講して座っているだけでは修了になりません。試験または課題による効果の確認が行われ、出席状況や成績が著しく不良な場合は修了が認められない扱いです)
  5. 美容所開設届(または変更届)に管理美容師として記載する

講習は複数日にわたる日程で開催され、開催回数も限られます。開業予定日から逆算して申し込む必要があり、直前に受講しようとしても間に合わないことがあります。実施は公益財団法人理容師美容師試験研修センターが担うことが多いものの、指定の状況・日程・申込方法は都道府県ごとに異なります。開業スケジュールを引く段階で、都道府県の組合または保健所で開催日程を確認してください。

開設届との関係

美容所を開設するときは、開設前に保健所へ美容所開設届を提出し、施設の確認(検査)を受ける必要があります。この届出書類に、従事する美容師と管理美容師の情報を記載します。

  • 開設届には管理美容師の氏名と資格を証する書類の添付が求められる
  • 施設の構造設備が基準を満たしているか、保健所の検査を受ける
  • 検査確認が済むまで営業を開始できない

工事日程・検査日程・講習の受講時期がずれると、開店日が後ろにずれます。開業資金の計画にも影響するため、サロン開業資金の目安と内訳とあわせて余裕を持ったスケジュールを組んでください。

体制が変わったときの手続き

管理美容師が退職した、担当者を変更した、といった場合は変更の届出が必要です。届出の期限や様式は自治体によって異なるため、変更が決まった時点で保健所に確認してください。

特に注意したいのが、管理美容師が不在になる期間を作らないことです。唯一の有資格者が退職し、後任が講習を受けていない状態になると、2人以上の体制を維持できなくなります。スタッフの入れ替わりが見込まれる場合は、複数名に取得しておいてもらうのが安全です。スタッフの定着についてはサロンのスタッフ採用と定着で扱っています。

開業準備でまとめて確認すること

確認項目相談先タイミング
管理美容師の要否と要件保健所物件契約前
実務経験が3年に達しているか保健所(数え方の確認)講習の申込前
講習会の日程と申込方法都道府県の組合・保健所開業3〜6か月前
施設の構造設備基準保健所内装設計前
開設届と検査の日程保健所内装工事完了前
税務の開業手続き税務署開業から1か月以内

制度は自治体の運用によって細部が異なります。「ネットで調べた情報」だけで判断せず、物件を決める前に一度保健所へ相談しておくと、内装のやり直しといった大きな損失を避けられます。

よくある質問

管理美容師の資格を取るには何年かかりますか?

美容師免許を受けた後、美容の業務に3年以上従事することが受講の条件です(美容師法第12条の3)。そのうえで都道府県知事が指定する講習会を受講し、修了の認定を受ける必要があります。講習の開催回数は限られているため、3年を満たす時期と講習の日程を照らして、早めに申し込むのが安全です。実務経験の数え方(勤務形態や在籍期間の扱い)は保健所で確認してください。

1人で開業する場合も管理美容師は必要ですか?

常時2人以上の美容師が従事する美容所で必要とされる資格のため、開設者自身が1人で施術する場合は設置義務がありません。ただし美容師免許は当然必要で、美容所開設届と保健所の検査も必要です。将来スタッフを雇う予定があるなら、2人体制になった時点で必要になるため、余裕のあるうちに取得しておくと増員時に困りません。

管理美容師の資格はどうすれば取得できますか?

美容師免許を受けた後3年以上美容の業務に従事し、都道府県知事が指定する講習会の課程を修了することで取得できます(美容師法第12条の3)。講習は公衆衛生と衛生行政・感染症・店舗の構造設備・消毒法とその用途などの科目で構成され、修了には試験または課題による効果の確認があります。実務経験の数え方や申込方法は都道府県の美容業生活衛生同業組合・保健所で確認し、開業予定日から逆算して申し込んでください。

管理美容師が退職したらどうなりますか?

速やかに後任を立て、変更の届出を行う必要があります。常時2人以上の体制を続けるのであれば、管理美容師が不在の状態は認められません。後任が講習を受けていない場合、受講の日程によっては体制を維持できなくなるため、有資格者を複数名確保しておくのが安全です。手続きの期限と様式は自治体によって異なるため、保健所に確認してください。

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