サロンメニューの価格設定の決め方|原価と利益から松竹梅で組む
サロンメニューの価格設定の決め方|原価と利益から松竹梅で組む
サロンのメニュー価格を「近隣店に合わせてなんとなく」決めていませんか。周辺相場を見るのは必要ですが、それだけで決めた価格は利益が残らなかったり、逆に高すぎて選ばれなかったりします。本記事では、原価と目標利益からの積み上げ、松竹梅の3段階設計、心理的価格、客単価を意識した組み立てという4つのステップで、根拠を持ってメニュー価格を決める手順を解説します。
なお「原価率を何%に抑えるべきか」という原価率そのものの計算方法はサロンの原価率の計算方法で詳しく扱っています。本記事は算出した原価を出発点に、実際のメニュー価格をどう組み立てるかに絞って解説します。
ステップ1:原価と目標利益から価格を積み上げる
価格設定の土台は、1メニューあたりにかかる原価に、確保したい利益を上乗せする積み上げ方式です。ここでの原価には、施術で使う薬剤・材料といった変動費だけでなく、施術者の人件費(時間あたり)も含めて考えます。
たとえば施術時間90分のメニューなら、その90分に対応する人件費・薬剤費・店舗の固定費按分を合算し、そこに目標利益を乗せて価格を出します。相場から入るのではなく、まず「この価格でないと利益が残らない」という下限を自分で把握することが、値引き交渉や安売り競争に流されないための軸になります。
積み上げで出した理論価格と周辺相場が大きくずれる場合は、原価構造そのもの(施術時間・薬剤の選定・回転率)を見直すサインです。相場に無理やり合わせて利益を削るのではなく、コスト側から改善できないかを先に検討します。
ステップ2:松竹梅の3段階でメニューを設計する
単一のメニューだけを提示すると、顧客は「高いか安いか」の二択でしか判断できません。そこで有効なのが、価格帯の異なる3段階(松竹梅)を用意する設計です。人は3つの選択肢があると、多くが中間(竹)を選ぶ傾向があり、これを利用して狙った価格帯へ自然に誘導できます。
| 段階 | 位置づけ | 設計の狙い |
|---|---|---|
| 松(上位) | 最上位・フルオプション | 価格の基準点を引き上げ、竹を割安に見せる |
| 竹(中位) | 本命・一番売りたい価格帯 | 内容と価格のバランスで最も選ばれる主力 |
| 梅(下位) | 入口・お試し | 新規客のハードルを下げ、後の引き上げにつなげる |
ポイントは、一番売りたいメニューを「竹」に置くことです。松は割高でも構いません。松があることで竹が相対的にお値打ちに見え、選ばれやすくなります。梅は利益率が低めでも、新規客の入口として機能し、リピート時に竹・松へ引き上げていく起点になります。
ステップ3:心理的価格で見せ方を整える
同じ利益が残る価格でも、見せ方次第で選ばれやすさは変わります。代表的なのが端数価格です。10,000円より9,800円のほうが割安に感じられ、選択の心理的ハードルが下がります。一方で、高級感やブランド価値を打ち出したい上位メニューでは、あえて切りのよい価格にして品質の高さを演出する手法もあります。
また、単品を並べるより「セットメニュー」「コース」としてまとめたほうが、1つずつ比較される負担が減り、単価も上げやすくなります。オプションを個別に足していく見せ方も、本体価格を基準に追加を検討させるため、客単価の引き上げに効きます。
ステップ4:客単価を意識して全体を組み立てる
個々のメニュー価格が適正でも、来店1回あたりの客単価が伸びなければ経営は安定しません。価格設定は単品の値付けで終わらせず、「1回の来店でいくら使ってもらうか」という視点で全体を組み立てます。
具体的には、本体メニューに自然に足せるオプションの用意、店販(物販)との組み合わせ、次回予約につながるコース設計などです。客単価そのものを上げる施策は美容室の客単価を上げる方法で詳しく解説しているので、価格を決めたあとの引き上げ施策はそちらもあわせてご覧ください。
そして価格を改定したら、実際にどのメニューがどれだけ選ばれ、客単価がどう動いたかをデータで確認することが欠かせません。サロン管理システムカロネードの売上分析機能を使えば、メニュー別の販売数・客単価の推移を可視化でき、松竹梅のどこが選ばれているか、価格改定が単価にどう効いたかを数字で検証できます。感覚ではなくデータに基づいて次の価格設定へ反映できます。
よくある質問
Q. メニュー価格は周辺の相場に合わせるべきですか?
相場は参考にしますが、出発点にはしません。まず原価と目標利益から積み上げた理論価格を出し、それと相場を照らし合わせます。相場より高くなる場合は提供価値の見せ方で、安くできる場合は利益確保のうえで判断します。相場に合わせて利益を削ると値引き競争から抜け出せなくなるため、自店のコスト構造を軸にすることが大切です。
Q. 松竹梅の価格差はどのくらいが適切ですか?
明確な決まりはありませんが、竹(本命)を基準に、松はその1.5〜2倍程度、梅は7割程度に置くと3段階の差が伝わりやすくなります。重要なのは絶対額の差より、松があることで竹が割安に見え、梅で入った新規客を竹へ引き上げられる設計になっているかです。実際の選ばれ方をデータで見て調整します。
Q. 値上げすると客離れが心配です。どう進めればよいですか?
一律の値上げではなく、メニューの再設計とあわせて進めるのが有効です。既存メニューにオプションや付加価値を加えて新メニューとして打ち出す、松竹梅を導入して選択肢を作るなど、価格の根拠が伝わる形にします。値上げ前後で客単価とリピート率をデータで追い、影響を確認しながら段階的に進めると安全です。
Q. 原価率は何%を目安にすればよいですか?
原価率の目安や計算方法は本記事の範囲を超えるため、サロンの原価率の計算方法で詳しく解説しています。本記事の積み上げ計算で使う原価は、そちらで算出した数値を出発点にしてください。原価率を把握したうえで価格を組み立てると、利益の残る価格設定ができます。
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